ローコスト住宅のからくり「坪単価の罠」とは?

ハウスメーカーなどの広告で「坪単価30万円~!」といううたい文句を見たことはありませんか?

「1坪30万円で家が建つなら安い!」

なんて思いがちですが、実際はそんな値段で家が建つことはほぼないです!

この記事では、ローコスト住宅の建て主が、実際に建ててみて分かった「ローコスト住宅のからくり」についてお伝えしています。

後悔しないローコストメーカーの選び方についても書いていますので、ぜひ参考にして下さい。

ローコスト住宅のからくり「坪単価の罠」とは?

坪単価を安く見せる「からくり」は、次の3つです。

  1. 建築費を安くして面積を大きくする
  2. 建物の標準仕様を下げる
  3. 工事項目を除外する(別途工事の扱いにする)

どういう「からくり」なのか、1つずつ確認していきましょう。

からくり1.建物の床面積を大きくする

ローコストメーカーが坪単価を割り出すときには、床面積を大きく見せる方法を取っています。

というのも、坪単価は、建設費が安く、床面積が大きいほど安くなるからです。

【坪単価の算出方法をチェック!】
建築費 ÷ 面積 = 坪単価
例)
建築費3000万円 ÷ 面積50坪 = 坪単価60万円

建築費3000万円 ÷ 面積60坪 = 坪単価50万円

つまり、同じ建築費でも面積が大きければ坪単価は10万円安くなる!

面積を広げれば安くなるといっても、土地を広げて床面積を大きくするのは難しいですよね。

どのように床面積を大きくするのかというと、建築基準法の床面積に含まれない部分を含めて、「施工床面積」として表示しているのです。

【床面積に含まれない箇所】
・バルコニー

・ポーチ
・小屋裏収納
・吹抜け
・ロフト
・庇
・軒
・屋根のない駐車場・中庭・坪庭
・外階段

上記を含めて大きくなった面積を「施工床面積」といいますが、実は「施工床面積」はどの部分の面積を入れなければならないという厳密な決まりがありません。

つまり、同じ面積・同じ価格の建物でも、「施工床面積」にして面積を広げれば、坪単価は安くなるのです。

坪単価を見る時は「床面積」なのか「施工床面積」なのか、「施工床面積」ならどこの面積が含まれているかをチェック!

からくり2.建物の標準仕様を下げる

建物本体の標準仕様を下げてオプションにすることで、坪単価を安く見せているメーカーは多いです。

某ローコストメーカーでは、2階のトイレやバルコニーはオプションで、追加するには別途費用が必要となります。

1戸建ての家なら各階にトイレは欲しいし、洗濯物を干すにはベランダが必要…

という訳で、追加オプション費用を払うことになり、当初の坪単価よりもどんどん高くなってしまうのです。

必要な設備がどこまで「標準仕様」に含まれるかをチェック!

からくり3.必要な工事費用が含まれていない

家を建てるには、工事用の水道・電気・仮設トイレ等を設置する「仮設工事費」や、屋外給排水工事・運搬費などの「付帯工事費」がかかります。

しかし、メーカーによっては坪単価を下げて建築費を安く抑えるため、これらの工事項目を除外して「別途工事扱い」にしています。

必要な工事を「別途費用」にして建築費を下げ、「坪単価」を安く見せているという訳です。

そのため、実際に見積もってみたら「坪単価の2倍だった」というケースも発生してしまうのです。

坪単価は家を建てるために必要な工事費用が含まれていないケースがあるので注意が必要。

後悔しないローコストメーカーの選び方

ローコスト住宅を建てるうえで、一番重要なのが、どのハウスメーカーを選ぶのか、ということ。

ローコストメーカーの失敗しない選び方は以下の3つです。

保証期間の長いメーカーを選ぶ

家は年月の経過とともに劣化していくので、できるだけ定期メンテナンスやアフターサポートがしっかりしたメーカーを選びましょう。

特にローコスト住宅の保証期間は短めの会社が多いので、少しでも保証期間が長いローコスト住宅メーカーを選ぶと安心です。

標準仕様の内容をチェック

ローコスト住宅は、ハウスメーカーや工務店があらかじめ用意した「規格」に沿って作られた住宅プランから選ぶことになるため、間取りや窓の配置など大きなレイアウト変更はできないケースが多くなります。

変更する場合は、追加オプション費用が発生してしまうので、外壁やキッチンまわりなどの設備の標準仕様が、自分の理想形に近いメーカーを選ぶと費用を低く抑えられます

また、通常のメーカーでは標準仕様のものがローコストメーカーではオプションになるケースは多いです。

雨戸や網戸の設置はオプションだったり、コンセントの数を増やすだけでも追加費用が必要など、各メーカーで細かく設定されています。

小さなプラン変更が積み重なり、追加費用が高額になることもあるので、あらかじめ標準仕様に含まれる内容を把握しておくことが大切です。

予算ギリギリのメーカーは避けて!

ローコスト住宅は追加費用がかかりやすいことは前述しましたが、建築請負契約を結び、工事が進んだ後に「どうしても変更したい!」という部分がでてくることもあります。

そのため、予算ギリギリのハウスメーカーを選ぶのは避けましょう。

わが家の場合は、契約後に「天井の梁を出したら空間が広くなりそう」と思い、追加費用を払って変更しました。

このような大きな変更でなくても、コンセント数を追加するなど、細かな追加は割とあることなので、追加費用の予算は少し余力を残しておくのがおすすめです。

できれば、総費用の1割程度を手元に残しておくと安心です。

さらに、追加費用が発生したら、ハウスメーカーの担当者に「追加オプション費用表」を作成してもらい、金額を共有しておくと、追加費用の認識のズレが防げます。

優良なローコストメーカーを見つけるには?

ハウスメーカーの見積もり金額が適正かどうかを判断するためには、複数社の提案内容を比較検討する必要があります。

家づくりの希望と予算を伝え、できるだけ希望をかなえた上で予算内に収まるプランを提案してもらいましょう。

見積もりを取る会社の数が多すぎると、連絡のやりとりや打ち合わせなどの負担がかかるので、一度に提案を受けるのは3~4社がおすすめです。

各社に見積もりを取るには、一括サイトを利用すると手っ取り早いです。

わが家はタウンライフというサイトでローコストメーカーを探し、希望条件に合う工務店を見つけました。

紆余曲折ありましたが、無事に理想の家を建てて、今年で10年を迎えて快適に暮らしています。

どうやって理想の家を建てた方法については、以下にまとめていますので、ぜひ参考にして下さい。

 

 

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